ACE

オレンジのつぶやき

・・・業務に関するフランクな話題や感じたこと

近年,「ACE」や「ACEs」という用語に接することが多くなりました。
同時に「小児期」「逆境」という言葉も登場するので,子どもの成育に関するものという認識はありました。
最近,知り合いの小児科医も研修の場で取り上げていたこともあり,少し調べてみました。
ACE(Adverse Childhood Experience )とは「逆境的小児期体験」と訳すのが一般的なようです。
ある研究論文の冒頭部分の抜粋です。
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ACEとは,小児期や思春期に経験した精神的または身体的なストレス要因と,子どもの家族における機能不全の逆境的境遇のことであり,今日では子ども虐待および機能不全家族により歳月の経過によって自然に癒されることができない影響をもたらすと考えられている。
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論文では,ストレス要因を「親による侮辱,暴言,暴力,性的虐待,ネグレクトの他に,家族の誰からも大事にされていない,家族どうしの仲が悪い,誰も守ってくれないと感じた経験」,逆境的境遇を「別居や離婚による親との別離,母親に対する暴力や暴言の目撃,家族に薬物・アルコール依存やうつ病など精神疾患の罹患があること,家族に自傷行為や自殺企図をする人がいる,または服役中の人がいるなど」と説明しています。
1998年にアメリカから発信されたACE,日本でも研究が進み32%の人が18歳までに1つ以上の逆境体験があるとの報告があります。
子ども家庭支援に携わる者として,児童虐待の影響というくくりでとらえるだけでなく,例示されている体験を視野に入れ,これまで以上に子ども側からの見方を深めていく必要があると感じました。