938 里親の喪失感を考える⑥

里山だより

・・・里山の季節の移り変わりや里親として感じていることなど

 最後に、別れの時の子の年齢について考えてみます。「空の巣」では、子どもは別れの時期に高校卒業だったり、結婚や就職などでは30歳を過ぎているケースもあります。つまり、ある程度自立に向けての準備が整っている場合が多いです。したがって、送り出す親側の心配は、いわゆる「取り越し苦労」に終わることも多いと思われます。
 一方、里親子の場合の子の年齢について考えてみると、家庭引き取りでは幼児や小学校低学年などの年齢が多く、施設への措置変更についても、中学校までのケースが大部分を占めると思われます。したがって、別れの際に里親が「新しいお父さんにかわいがってもらえるだろうか?」とか、「施設に行ってこれまでと違った環境になじめるのだろうか?」と心配する気持ちは理解できます。