937 里親の喪失感を考える⑤

里山だより

・・・里山の季節の移り変わりや里親として感じていることなど

 次に別れの時期の計画性、つまり早い段階から親子が別れる時期の見通しがつけられるかどうかついて考えてみます。「空の巣」では、結婚や仕事に就く時期などは、かなり前から時期が分かっている場合がほとんどで、結婚式などでは、一年も前から日時まで決まっていることもあります。このため、「空の巣」では親子ともども別れに対する「心の準備」をする時間は十分あると思われます。
 一方、里親子の別れを考えたとき、明確に別離の時期の見通しを立てられるケースは少なく、親権者である親の都合や児童相談所の意向に沿って時期が変更されることもあります。中には、里親にとっては突然のように家庭復帰や施設入所が決まって、急な別れを迎えることもあります。そして、そのようなケースでは、里親子ともども「心の準備」をする時間がないまま別れを迎えることになって、このことも里親の喪失感を助長する要因の一つになっています。