南房総オレンジの廊下に、わが家の高一の里子が描いた、「ブルー」というタイトルの青空をバックにしたカラスの油絵が飾られています。見る人は、なぜ「カラス」などと言う一般的にはあまり好まれない鳥をテーマに選んだのだろうと不思議に思うのかもしれません。
里子がカラスの絵を描いて「ブルー」と名付けたのには、次のような経緯があります。彼が小学校5年生の春、ケガをした仔ガラスを拾ってきて、わが家で育てることになりました。そのカラスの目がきれいな青色だったので「ブルー」と呼ぶことにして、里子も餌をやったり一緒に遊んだりとずいぶんとかわいがっていました。
2ヶ月ほどがたち、カラスはケガも癒えて成鳥になったので、最後まで反対していた里子を説得して、初夏のある日自然に戻しました。
彼の心の中には、今も仔ガラスのままの「ブルー」が残っているようです。


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