所定のルール通りに

オレンジのつぶやき

・・・業務に関するフランクな話題や感じたこと

最近のある全国紙に「3歳男児死亡 行政の対応,検証急げ」というタイトルの社説がありました。
今夏に起きたできごとを取り上げたものです。
社説の内容は,既に報じられた部分が多く,目新しい特別な主張はなく,ごく一般的な論調と感じました。
私は,その中の次の文が特に目に止まりました。
「両者(*市と児相)とも,所定のルール通りに対応してきたと説明し,(略)。だが結果として,深刻な事態を招いてしまった。」*は筆者が挿入
この文は「所定のルールに従ったが,深刻な事態を招いた」と述べています。
「所定のルール」を運用するレベルが低かったのか,あるいは「所定のルール」ではもはや対応できないのか。
その両方かもしれません。
いずれにしても,「所定のルールをこれまでの感覚で運用していても対応できない」一面が現実にあることを示しているといえます。
数年間,児童虐待をはじめとする養育課題の業務に携わっている者として,次のような思いを常にもっています。
・関係機関でもっともっと迅速に情報を共有しなければならない。
・行政機関は,法規を根拠に設置されている関係支援機関チームに現在の数倍の情報を提供し,多機関からの視点で状況をとらえていかねばならない。
・単に情報をやり取りするだけでなく,支援機関・支援者としての思いも含めて共有しなければ関係機関は機能しない。
どのような検証がなされるのか注目しますが,これらのことが改善されなければ実効性は薄いと思います。
社説の結び,「それが大人たちの務めだ」。
まさにその通りだと思います。