岩手・宮城・福島⑦

オレンジのつぶやき

・・・業務に関するフランクな話題や感じたこと

大津波が原因で事故を起こした原子力発電所が所在する町の一部の地域。
数え切れないほどの「帰還困難区域につき通行止め」の看板。
私有地や集落につながる道路はバリケードで封鎖されていました。
家々の入り口の梯子などもバリケードに替わっていました。
家々は当時のままでした。
いくつもの表示が特別の地域であることを否が応でも感じさせました。
「帰還困難区域のため長時間の駐車はご遠慮ください」
「復興拠点の被災建物等解体作業と除染作業をしています」
「町内全域 防犯カメラ作動中」
民間の防犯パトロール車と幾度もすれ違いました。
震災後からほとんど何も変わっていない地域でした。
整備された道路や新たな商業施設,復興住宅もありません。
これもまた12年後の事実であることを突きつけられました。
周辺の町にも帰還困難区域があります。
震災関連死が最も多い県です。
この地域で生まれた子ども,生まれたであろう子どもは,どのような育ちや生活をしているのだろうと思いました。
その子たちは自分や親が生活していたところをどのように受け止めているのでしょうか。
「故郷を愛し」とは簡単に使えない言葉でもあることを感じました。
私の生まれた所と変わらないのどかで穏やかな光景の広がる地域でした。