934 里親の喪失感を考える②

里山だより

・・・里山の季節の移り変わりや里親として感じていることなど

 では、里親の喪失感と「空の巣」を比較するには、どんな要素があるのでしょうか? 両者の大きな違いは、大前提として、養育者(以下、親)と子どもの関係がありますが、これを比較の要素に入れると別なテーマになってしまうので、ここでは省きます。
 その上で、この他の要素を考えてみると、①別れの理由。②別れた後の両者の距離。③別れを決める人。④別れの時期の計画性。⑤別れの時の子の年齢。以上、ざっと五つほどがあげられます。
 まず、一つ目の別れの理由から両者を比較してみます。「空の巣」では、子どもが学校を卒業する、就職する、結婚するなど一般的には喜ばしいこと、祝福すべきことが理由となって親元を離れることになります。この場合、別れに対する負の感情は別にしても、親子ともに納得しての別れと捉えることができます。里親子の場合、里親家庭からの自立ケース以外は、家庭復帰による措置解除、施設や他の里親への措置変更などにより里親家庭から離れることになります。これらのケースでは、里親子ともに納得している場合もありますが、多くのケースで、里親子は意に沿わない別れを体験することになります。
 下図は、「空の巣」のフロー図です。