目標は社会的な自立

オレンジのつぶやき

・・・業務に関するフランクな話題や感じたこと

「目標は社会的な自立で,教室に戻ることではない」
私が共感した,ある中学校の先生の言葉です。
報道によると,全国の不登校の小中学生が19万6千人で過去最多。
学校内に教室以外の「居場所」をつくっている中学校は多くみられます。
それ自体,学校としては大変なご苦労だと思います。
東北地方のある中学校でも「ふれあい学習室」という「居場所」を26人が利用しているとのこと。
その学校では,これまで毎年40人いた不登校生徒が今年度15人ほどになったそうです。
子どもの登校が困難になった際,周囲の大人は「何が原因か」「どうしたら登校できるようになるか」などと考えます。
それは自然のことと思います。
ただ,登校できることを「目標」のひとつに据え,その後,登校できることが「目的」になっていくような傾向もあります。
そんななかで「目標は社会的自立」との考え方はとても重要な視点です。
言い換えれば,学校に登校することがゴールではないというとらえです。
これは子どもの人格や人権を大切にするからこその見方です。
この学校の様子をつぶさに調べたわけではありませんが,不登校生徒の減少は「ふれあい学習室」を設けたからではなく,学校内にそのような教育観があるからではないかと推測します。
「目標は社会的自立」
児童虐待や養育課題にかかわる仕事をしている私たちが,いつも念頭においていることのひとつです。