大人の都合

オレンジのつぶやき

・・・業務に関するフランクな話題や感じたこと

養育に関する相談業務に携わっていると,大人の家族関係や行動で子どもの安全や安心が脅かされているケースによく出会います。
今日も所内の会議で相談員から「大人の都合に目が行ってしまい,子どものことに焦点が当てられない」という発言がありました。
この「大人の都合」という部分で最近感じていることがあります。
よくない例ですが,学校で教員から子どもに殴る等の暴力を伴う体罰があったとします。
そのようなときに,その教員が処分されることがあります。
その際,多くの場合に学校教育法の体罰の禁止違反と地方公務員法の信用失墜行為の禁止違反が根拠として示されます。
これまであまり疑問に感じなかったのですが,これは「大人の都合」としての根拠なのではないかと思うようになりました。
この教員の体罰による最大の問題は「その子どもと周囲の子どもの権利を侵害した」ことだと思います。
そして,その権利の侵害が長くあるいは一生影響を及ぼすことになる可能性もあります。
そのように考えると信用失墜行為で済まされていいのだろうかと思います。
この例ばかりでなく「子どもの権利の侵害」という視点で,現状のさなざまな対応を振り返ってみる必要があると考えます。
「大人の都合」であたかも事が済んだと受け止めてしまっていることはないでしょうか。